暗いお墓に入るのは嫌!最近の納骨堂はここまで進化した。

近年、散骨などの自然葬を選択される方が増えています。その理由のひとつは「暗くてお墓の中に入りたくない」と言うものです。

お墓と言うと、お寺の境内に作られたもので本堂の裏手や北側で、あまり日が当たらず暗いイメージを持ってしまいがちです。

しかし、最近の納骨堂ではハイテク化が進んでおり、費用もお墓を購入するのに比べ安いので人気があるようです。

遺骨安置場所として墓地でなく屋内の納骨堂を選ぶ人が増えている。費用の安さや管理面の利便性が背景にある。この結果、新たに墓地を設置しにくい都市部を中心に納骨堂が増加傾向にあり、施設のハイテク化や高サービスで差別化を図る。

 

北海道釧路市役所から約5キロ北西に建つ誠行寺(じょうぎょうじ)も4年前に納骨堂を大規模改葬した。高さ2.4メートル、幅1.2メートル、厚さ15ミリの特殊ガラスに彫られた阿弥陀如来像は色鮮やかなLED照明124個が内蔵され、赤、緑、青などさまざまに色が変化し、速度も調節できる。

 

天然の御影(みかげ)石を背景に鮮やかに光る様子は檀家からも如来像が宙に浮かんだように見えると好評。「仏様の後光を表現したかった」という禿信哮(かむろのぶたか)住職(74)は利用者が増えた背景について「少子化や家族の形態が変わってきたことが大きい。天気に左右されない上、お墓より初期費用が安く、管理も楽なので人気なのではないか」と話す。

 

厚生労働省によると、20年間で全国約1500カ所で納骨堂が増えた。道内では約1.1倍と微増だが、札幌市では約1.3倍。約1.6倍の東京都、約1.9倍の大阪府などは特にハイテク化による競争激化も顕著。個人認証機能付きICカードで出入りでき、目的の遺骨納入場所が照らされる施設や、タッチパネル操作で液晶モニターに故人の写真や動画を映す施設もあり、弔いのあり方が変化しつつある。【貝塚太一】