散骨に法律や規制はあるの?
2019年3月14日

散骨に法律や規制はあるの?

散骨を行う際に守るべきルールには、どのようなものがあるかが気になる方もいるでしょう。

今回は、散骨に関わる規制の有無などについてご紹介します。

無用なトラブルを避けるためにも、散骨に関するルールはしっかりとチェックしておきましょう。

 

散骨は法律では規制されていない

前提知識として、散骨は法律では規制されていないということを覚えておきましょう。

火葬許可証のように、葬送の際に欠かせない書類さえ手に入れることができれば、散骨も問題なく行うことができるでしょう。

しかし、国が散骨を公に認めているわけではないということは覚えておきましょう。

現状は散骨に関する法律が整備されておらず、良識の範囲内で行う散骨に限って黙認してくれています。

いわば散骨は法律的にはグレーゾーンな存在と言えるため、今後は散骨に関する法律が改めて制定される可能性もあるでしょう。

国からの許可が下りたからこそ散骨が普及し始めたと勘違いしている人もいますが、国が認めたのは散骨が違法にならないという事実のみであり、推奨などをしているわけではありません。

散骨は、散骨が法律に抵触しないと判断した一般の団体が、自発的にやり始めたことです。

散骨に関する法律が存在しないことによって、ある程度自由な場所で散骨を行うことができるというメリットがあります。

しかし、厳格なルールが無いという理由から、トラブルが発生した際に解決しにくいという問題もあります。

散骨に関するトラブルが発生した場合、民事訴訟に発展してしまう可能性があることも忘れないようにしましょう。

個人の判断のみで散骨を行うことは危険ですので、散骨業者と相談しながら散骨を進めることをオススメします。

 

条例による規制は存在する

散骨に関する法律は無いものの、各自治体の条例によって散骨が規制されている可能性があります。

散骨の扱いについては国は関与せず、各自治体の定めに委ねられていることになりますので、地域によって散骨ができるかどうかは異なります。

散骨を禁止している地域で散骨してしまった場合は、条例違反となるため、罰則が科されてしまう可能性もあるでしょう。

散骨をする前には、散骨をしたいと考えている地域で許可されているかどうかをよく確認しておく必要があります。

散骨の規制の強さも各自治体によって異なり、埼玉県の秩父市や、北海道の長沼町などでは散骨に厳しい規制が設けられています。

両者の条例には、「何人も、墓地以外の場所で焼骨を散布してはならない。」と記載されており、墓地以外での散骨は一切認められていません。

北海道の長沼町でこの条例に違反した場合、6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金が科されてしまいます。

静岡県の熱海市にも条例はあるものの、罰則などは無く、散骨に関するガイドラインのみが設定されています。

自治体によっては、条件を満たすことで散骨の許可を出してくれるところもありますが、条件を満たすことが現実的に不可能であるところもあります。

 

散骨が規制されることになった背景

法律で規制されていない散骨が、なぜ自治体の条例で規制されることになったのでしょうか。

その理由として、散骨業者と近隣住民のトラブルが挙げられます。

散骨が流行り始めた頃には規制が一切無かったため、多くの人が自由な場所で散骨していました。

しかし、散骨業者と散骨場所の近隣に住む住民との間でトラブルが発生しまうことがあったため、各自治体の条例によって散骨が規制されることになりました。

散骨がトラブルを招いてしまった場合の、代表的な理由を一部ご紹介します。

 

散骨した土地の価値が下がってしまうから

散骨した場合、その土地の価値が下がってしまう可能性があります。

土地を売却する際には、その土地で散骨をした旨を報告する義務が生じますので、散骨がされた土地であるというマイナスのステータスが付加された状態で売却されることになります。

土地の管理者としては、他人の散骨によって自分の土の価値が下がってしまっては堪りません。

近隣住民が気軽に散骨をされることを嫌がっても無理はないでしょう。

トラブルになることを避けるためにも、無断で散骨することはせず、土地の管理者に事前に相談をする必要があります。

 

散骨により風評被害が発生してしまうから

観光地や養殖場のように、人が多く集まる場所で散骨を行うと、風評被害をもたらしてしまう可能性があります。

観光地などで散骨が行われたことがお客さんの耳に入ると、縁起が悪いと感じて来なくなってしまう場合があるでしょう。

また、養殖場の近くで散骨した場合は、食品の中に遺骨が混ざってしまっているのではないかという噂が立つ可能性もあります。

例え事実と異なっていたとしても、噂が発生した時点でマイナスイメージがついてしまうため、これらの場所は散骨を嫌がります。

風評被害によって経済的な打撃を受けてしまうことを避けるために、これらの場所では散骨を禁止する旨の条例が制定されている場合があります。

 

まとめ

散骨の規制について解説しました。

規制があるかどうかは各自治体の条例によって決まっており、条例が定められる理由も様々であるということが分かりました。

散骨に関する条例は、散骨業者に向けて設けられているものも多いため、散骨業者は条例の遵守に対して慎重ですので、適切な散骨場所を提供してくれるでしょう。

散骨業者とよく相談し、トラブルの無い散骨を目指しましょう。
 
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