散骨を選択する背景とは?
最近、散骨という言葉をよく耳にしませんか?散骨とは亡くなられた人の亡骸(なきがら)を、お墓を立て葬るのではなく、遺体を火葬しその後、遺骨を細かな粉末状にして故人が最も好きだった場所等へ遺骨を撒く儀式のことを言います。
デフレ経済が一向に解決せず、地方都市においては少子化問題や高齢者問題があり、特に市区町村は財政危機や人口減少で、消滅都市といわれる場所まで出てきています。この要因は結婚できない男性、女性、また子供がいない夫婦などの問題で、少子化が進み新たな墓地購入や、祖先のお墓を維持、承継する事が困難だと考える人が多くなっています。
特に独身の女性の方は、両親や自身の終活の葬送を自然に回帰する散骨にしたいと考えているようです。
散骨は合法?違法?
「死体損壊・遺棄罪」という法律があります。例えば、棺(ひつぎ)に納められた亡骸(なきがら)の骨や髪を勝手に掘り出して、別な場所に持ち出したりする行為は、たとえ人の骨であっても死体と同格な扱いになるという法律です。
遺骨の取り扱いについては、刑法の死体遺棄・損壊罪や墓地埋葬法などのルールがありますので、散骨についても注意が必要です。散骨については、法務省は非公式ながら、「節度を持って散骨が行われる限り、違法ではない」という見解を示してします。
節度をもった散骨とは?
「節度をもった散骨」とは、遺骨とわからない状態にして散骨してくださいと言う意味です。つまり、細かくパウダー状に粉骨してから散骨すれば違法にはなりません。粉骨せずに遺骨とわかる状態で散骨すると、最悪、死体等遺棄罪で懲役3年以下の処罰をうける可能性があります。
散骨によるトラブル
散骨が認知されてきてから、散骨のトラブルが多くなっています。特に陸地に不法投棄のごとく散骨と称し、遺骨を撒くという行為をしている者がいるようです。話題になったのが、北海道長沼市問題「樹木葬公園」と称して散骨場を分譲した団体が住民たちから総反対されました。町議会等も反対し長沼市は散骨を中止するよう団体に通告しました。
一方の団体側も日本の法律的に何ら問題はなし、樹木葬公園として分譲は続けました。法務省の見解は粉末状にして処理した遺骨であれば、違法性はないとの見解ですので、業者側が法律違反をしているわけではありません。
ただ、この樹木葬の分譲地は生活圏の農家や、牧場、農地から100mしか離れていないのが問題であり、この団体は、地域住民とのコミュニケーション不足で、開発を進めたのがトラブルの原因だったといえます。繰り返しますが、散骨は違法ではありません。しかし、自治体で規制しているところもありますので、トラブルを避けるために、散骨場所については事前確認が必要です。
親族間により散骨トラブル
田舎に住んでいる親が他界し、散骨をした結果、親戚とのトラブルになるケースがあります。田舎には本家や分家といった、墓を守る風習や伝統の格式を守る地域があります。親戚から「散骨したら本人が成仏出来ないではないか?月命日にお参りする場所もわからない。供養やお線香をどうやって上げるんだ?」などが散骨に反対する理由のようです。
また、散骨をしてお寺とのトラブルになったケースもあります。あるとき田舎に帰り、供養を住職に頼んだら、「あんたのとこは散骨をしたらいいね。」といわれ、供養を断られたというトラブルも発生しています。散骨した遺骨の供養だけをお寺にお願いしたら、さすがに住職としてもいい気分はしませんね。
親族から散骨の理解を得る
遺骨の葬送に散骨を選択した場合はまず、いきなり「散骨という言葉を出さずに」親族に集まってもらい、自分の現状況をしっかりと伝えること、「現在の仕事、生活のため親族がなくなった今後は、田舎に帰ることも墓守もほとんど出来なく、本家、分家の方々にご迷惑が掛をかけず、故人も成仏する提案として散骨をしたい」旨のことを言えば理解が得られやすしでしょう。
ここで重要なのは「遺骨の一部だけを散骨という形にしたい」と提案してトラブル回避できた例もあります。両親が健在なうちに、それとなく葬送の考え方など、親族の根回しや話し合いをしておくのもいいかもしれません。
散骨以外の供養方法に手元供養があります
お墓を建てるお金はないが、故人と片時も離れたくない、という人も中にはおられます。遺骨をいつもそばに置いておきたい、いつも肌身離さずにいたいと願う人にお勧めなのが、「手元供養」です。
遺骨の一部をメモリアルジュエリーに加工したり、遺骨を粉末状にしてから、小さな骨壷に移して供養する人も増えています。手元供養を選択する人の多くは、やはり心の整理がつくまで身近に置いておきたいと思われるようです。
手元供養のメリット
手元供養メリットその1
お墓を建てるより費用が格安です。お墓を建てると100万円程度はかかりますが、手元供養は遺骨を収める骨壷があればできます。大きな骨壷を自宅に置くのに抵抗があれば、粉骨するのもいいでしょう。遺骨を粉骨(粉末状)すると体積が1/4程度になりますので、場所をとらずに手元供養できます。
手元供養の用品の種類
・おしゃれなミニ骨壺
・桐箱
・遺骨ペンダント
・遺骨をダイヤモンド加工し指輪にする
・遺骨ブレスレット
・遺骨ブローチ
手元供養メリットその2
田舎や遠い所にある墓に毎年高い交通費をかけて帰らなくてよくなり、毎日そばで見守ってくれている感じがあり、いつでも手を合わせ供養ができます。
散骨業者の選び方について
散骨が普及したこともあり、散骨業者が増えてきています。どの業者を選んでよいか選定に迷いますが、今はインターネット時代ですので、検索すればお住まいの地域や全国の散骨業者は簡単に見つけることができます。
散骨業者を選ぶ基準ですが、皆さん見栄えの良いホームページを選びがちですが、ホームページの見栄えは関係ありません。散骨業者は全国に100社ほど存在すると言われており、良い散骨業者か、悪い散骨業者かは、まず問い合わせの電話の対応である程度判断がつきます。
電話をしてみて、不明・疑問点を色々質問してください。質の良い散骨業者であれば、あなたの質問に丁寧にこたえてくれるはずです。逆に、事務的で応対であまり親身になってくれない業者は敬遠したほうが良いかもしれません。
大切な家族を亡くした悲しみに寄り添い、丁寧に応対してくれる業者に依頼することをおすすめします。
散骨の費用は?
日本の散骨はほとんどが海洋で行われています。散骨業者に委託した場合には、海域にもよりますが、委託散骨で25,000~80,000円。合同散骨で100,000~150,000円。個別散骨で150,000~300,000円が相場です。
一般的には散骨をする方の7~8割が、委託散骨(自身で散骨しない)散骨方法を選択しているようです。
散骨したいが火葬場が足らない?
ご遺体の火葬には時間制限が設けられています。それは24時間を経過した後でなければ、「火葬」をしてはいけないと(墓地埋葬法)という法律に記載されています。なぜ、24時間経過しないと、火葬をしてはいけないのでしょうか?
それは医者が死の判定を下しても、蘇生(生き返った)したという事例があり、それを確認するためだといわれています。ただし、24時間以内に至急火葬をしなければならない遺体もあるのです。伝染病患者の死体は医師の検案により、許可を経て、24時間以内に埋葬ができます。
遺体の処置はどうしておくの?
高齢化社会が押し寄せてきて2025年問題で、日本の経済を牽引してきた団塊の世代が85歳以上になり、今後の日本の年間の死亡率も、170万人近くになるといわれています。
現在、クローズアップされている問題が、「お金のかかるセレモニーは残された家族の見栄のために行うもので、決して死んだ人のためではない」と、生前の人も考えはじめ、散骨葬を選ぶ人も増えています。
葬儀を済ませ、お墓に埋葬したり散骨するには、火葬をする必要があります。そして、このままでは2030年以降、火葬場が足らなくなるとも言われています。
そうなると遺体が長い間、放置される可能性があり、遺体もエンバーミング処理等していれば多少はいいでしょうが、戸建てやマンションで、もし1週間近くご遺体を置く場合はドライアイス費用や、夏場は特にクーラーを低い設定のまま付けっぱなしにする必要がありますので、電気料金も相当かかってきます。
ドライアイスについて
ドライアイスでの保存が、一般的に行われている腐敗を抑える方法で、夏場の猛暑では2~3日が限度でしょう。冬場でも1週間以内といわれています。
エンバーミング処理について
遺体の腐敗の進行を抑えるために体液、血液を抜き取ります、特に事故などで傷がある遺体は修復し(ゲル状のものを注入し入れる)生前の穏やかなお顔を再現します。
湯灌(湯灌)について
映画で「おくりびと」がありましたが、この作業は「湯灌師」が行います。遺体の身支度を整える事で遺体の髪の毛や、身体を清潔に拭き清める事を言います。そのあと髭を剃り、爪を切り、そして死に化粧を施し、死に装束(しにしょうぞく)に着替えます。昔からの腐敗防止のやり方で遺体処理を施します。今後は火葬場が足らない場合を想定して、腐敗防止の方法も覚えておいた方がよいかもしれません。
遺骨の粉骨(パウダー化)とは
散骨業者に依頼すれば遺骨を2ミリ以下に粉骨してもらえます。遺骨を粉砕してくれる業者がいない地域もありますが、郵送でも受け付けてくれますので大丈夫です。業者の中には、立会い粉骨も可能なところもありますので、自身で粉骨するのもいいかと思いますが、細かい粉塵が舞いますのでマスクやゴーグルは持参してください。
粉骨する機械等の設備、衛生管理や清潔な環境が整っていない業者には依頼しないほうがよいでしょう。また、粉骨作業を別業者へ委託している場合もありますので、自社で粉骨しているのかを確認しておくとよいでしょう。
粉骨する際の遺骨の量はどれぐらい?
骨壺の大きさですと、7寸(直径約21cm)の骨壷で全身の遺骨が収まる大きさになります。
7寸の骨壺の遺骨を粉骨すると、体積が1/4に減りますので5寸(直径約15cm)の骨壷サイズに収まります。1平米のお墓のカロート(遺骨を安置する場所)ですと、7寸の骨壷で4個収めるのが限界です。粉骨して骨壷が小さくできれば、より多くの遺骨が安置できることになります。
意外と思われるかもしれませんが、お墓のカロートは意外と小さいものなのです。これから、お墓を建てられる方は、地下と地上の2段式のカロートにする手もあります。
散骨には許可が必要なのか?
墓地を建設する時は、(墓地埋葬法)というものがあり、遺骨を埋葬するには火葬証明書を埋葬先の寺院や霊園に提出する必要があります。しかし、散骨は埋葬に当たりませんので役場に申請したり許可をもらう必要がありません。
ただ、遺骨の身元確認のため、改葬許可証や火葬証明書のコピーと同意書を求められるケースもありますので、散骨業者に問い合わせてください。
散骨業者に頼まず個人や家族だけで散骨はできる?
自分のご自宅や、別荘、山林などに自身や家族で散骨することは全く問題ありません。ただ気を付ける点は、他人の土地の境界線の近くは避けるべきです。散骨した場所の上に土を撒くことは墓地埋葬法の違反となりますので注意してください。
自宅での散骨の注意点
ルールに乗っとり行えば、個人や家族で散骨しても問題はありませんが、注意点は散骨をする際は、第三者や近隣の人が見ていない事を確認してから実施してください。ご近所の方が散骨現場を目撃すれば不快な感情や不信感を持ちます。ご近所トラブルにならないためにも、周りに注意し厳かに散骨をしてください。
別荘での散骨の注意点
別荘を所有し生前は都会の喧騒から離れ、静かな海辺や山の別荘が好きで、よく別荘通いをされていた故人には別荘での散骨が良いかもしれません。故人が良く眺めていた、木漏れ日のあたる静かな場所に散骨をされるのもいいでしょう。
最後に
老若男女を問わず、人間は一日寝て起きるたびに死に向かっています。そして、どのような努力をしても高齢化した体は若返ることはなく、不良長寿の薬もありません。すべての個体には100%死が訪れます。
人間は一人で生まれ、一人で死んでゆきます。また、満ち潮で生まれて、引き潮で死を迎えるともいわれます。葬儀や葬送のやり方も時代と共に変化していくのも当然の流れでしょう。
自分の最後の人生のシナリオをどう終えるのか?散骨とは、現代の社会構造の変化、特に少子高齢化社会に入り家族の負担の減少を考えた自然葬のひとつだと言えます。
散骨を全く知らない?という人が最近は少なくなりました。散骨を選ぶ際はこのサイトで散骨の疑問等を払拭していただければ幸いです。ご質問して下さればすべてお答えいたします。大切な御霊の供養の全般のお手伝いのサポートをさせて頂けばと思っております。
もっと散骨について知りたい人は日本一散骨に詳しい「散骨ガイド」を見てください。
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